江戸の人々は「おごりに往く」といっては、月に二度ほど家のもの全員で料理屋に足を運んだといいます。それほど味を楽しむ気風にあふれた時代だったのでしょう。「錦松梅」はその江戸の風味を今に伝える伝統の「ふりかけ」です。
 創業者の旭翁きょくおうは掛川藩の武士の家に生まれ、うまいものを求めて全国を歩いたという食道楽の豪傑でした。その旭翁が子供の頃、寺子屋でいつも食べた弁当のおかずがかつお節を削ったもの。それが気に入らず、後年自らの手で長い年月をかけて完成した独自のふりかけが「錦松梅」でした。
 その後時を経て商品化に踏み切ることになりますが、もともとは商売にする気はなく、華道古流の師匠であった妻のもとに集まる婦人や令嬢、あるいは知人たちに自慢で供していたそうです。ある時にお弟子さんの一人である社長令嬢の結婚式に請われて引出物としたところ、そのえもいわれぬ香り、風味、口あたりがたちまち評判になったといいます。
 東京四谷左門町の地に商品として産声をあげたのが昭和7年。旭翁の道楽のひとつであった盆栽の中から、代表的な「 錦松 にしきまつ 」と「梅」を合わせ「錦松梅」と名付け、商標のマークは中国古来の瑞鳥である「鳳凰」としました。
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